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【プレイ感想】 VALKYRIE ELYSIUM 【レビュー】

ヴァルキリーエリュシオン [初回生産特典付き] -PS5

 

ヴァルキリーエリュシオンのプレイ感想とレビュー。

 

 

 

予定通りヴァルキリーエリュシオンを開始。そして終了したので、内容を忘れない内に感想記事を書く。

このブログではプラチナトロフィーを取ってから感想記事を書くことが多いのだが、今作はそこまでやり込む気が全く起きなかった。

未回収のトロフィーについても、単調作業を求められるだけで何も面白くないし。

なので、クリアして終了。

 

正直に言えば、体験版を遊んだ時点でかなり怪しいとしか思っていなかった。

が、可能性も多少は感じていたので、昔に遊んでいたVPシリーズの新生ということで買ってみた今作。

その感想と評価は如何に…これから書いていこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

概要

 

プラットフォーム PS5/PS4/Steam
発売日 2022/09/29
メーカー スクウェア・エニックス(開発:ソレイユ)
ジャンル アクションRPG
キャッチコピー

ここに今、新たなヴァルキリーの物語が始まる。

 

発売元がスクエニで、開発がソレイユ。ソレイユは、元々チーニンでDOAシリーズやニンジャガシリーズを制作していたスタッフが設立した開発会社。

開発実績としては、ニンジャラやデビルズサードの開発協力や、ナルト&ボルトのよく知らないゲームがある。筆者が触れていたソフトは何もなかった。

ジャンルはアクションRPG。2Dのドットで表現されたRPGでは無く、それこそニンジャガのような3D空間を自在に飛び回るアクション色の強いRPGとなっている。

 

 

 

 

 

以下、項目ごとの評価と感想。

 

 

 

 

 

#戦闘(ゲーム性)

 

 

遊べば遊ぶほど粗が目立つ戦闘。

スピーディーで派手なアクションを、手軽に楽しめるという面では良いのかもしれない。

まず、各攻撃アクション毎のキャンセルが利かなさすぎる。そのくせ、いちいちアクションが長い。

なので、攻撃中はその動作が終わるまでロクにガードやジャンプといった防御行動を取ることが出来ない。とにかくアクション間の融通が利かない。

 

その結果、横槍が来ても対応できない、ボスやスーパーアーマーが発動中の敵を相手にしていて、攻撃が来ることが分かっていても対応できない、敵を倒しても無駄に長い攻撃モーションが続くので単純にだるい…と言った不満が戦闘で常に付きまとう。

無駄に長いアクションを無駄に行うシーンが多いので、アクションゲームの醍醐味である「キャラを動かす面白味」がかなり薄い。むしろやっていてイライラしてくるレベル。

 

連打で攻撃がコンボとして繋がっていくゲームにおいて、ちょうどよくきっかり攻撃を入力するプレイヤーなんてほとんどいない。だって基本連打しているから。

で、その最中で敵の体力や行動を見て、次の行動を入力するわけで。プレイヤーキャラがどういう状態であれ、いつでもある程度はこちらの入力に従ってくれないと、「こうしたいのになぁ」という不満が一方的に募るゲームになってしまう。

 

なので、ある程度動作にキャンセルを利かせられるような作りにしておかないと、意図した行動に移れなくてもやもやするんですよね。なんというか、窮屈さに似た感情を抱いてしまうあの感じ。

 

 

また、敵の攻撃に対して通常のガードがほとんど機能しない。すぐにガードが割れるので、使ったところでガードブレイクから攻撃されるのがオチ。なので、ジャストガード以外はほぼ使用しない。というか出来ない。

そのくせ、ジャスト判定がかなりシビアなので(スキル取得でいくらか緩和してようやく少し使えるかなという程度)ジャストガードもロクに使えない。

空中ではガードが使用できない、攻撃モーション中はガードが出来ない、すぐに割られる…と、ガードの存在意義がほとんど無いように感じられた。

てか初撃からガードを割ってくる攻撃が多すぎ。初撃からガードブレイクされる攻撃で、割られたらその後の攻撃がヒットするってそれもうガード不能と同じじゃん。

 

 

ロックオンも酷い。今作は、R3でロックオンをする仕様であり、ロックオンをするとカメラの操作が不可能になる。

なぜなら、ロックオン中はカメラ操作に割り当てられている右スティックでターゲットを変更する為である。なので、ロックオン中はカメラが固定視点のような感じになる。

 

これが本当に酷い。視点が悪すぎる上、エフェクトも敵の数も多いので極めて視界が悪い。ぶっちゃけ使わない方が圧倒的に楽。

しかし、かと言ってロックオンを使用しないと攻撃する敵の固定が出来ないため、ソウルチェインを使用するともうどこに飛んでいくのかが分からなくなる。

それだけではなく、魔法のタゲも制御不能になる。オートロックは一応あるのだが、オートロックのアイコンが出ている敵になぜか攻撃が行かないことが多々あるという謎仕様。

 

そのくせ閉所での戦闘が結構多い。壁際のカメラも何も見えなくなるようなレベルなので、ロックオンをするとマジで何がどうなっているのかが見えなくなる。酷い。

クソカメラで戦うか、クソロックで戦うかの二択という地獄のような仕様。シンプルにイライラした。

 

 

また、敵のガードや回避が鬱陶しすぎる。

上でも書いた通り、乱戦時はストレスフルでかなり不利な状況となっているので、少しでも早く敵の数を減らしたくなる。

それなのに、無駄にガードや回避で時間稼ぎをしてくるのはかなり鬱陶しい。

 

これが中ボスとかならまだ分かる。しかし、残念ながら今作では初っ端から出現するただの雑魚敵からこういう事をしてくるので、本当にだるい。

特に敵のガードは異常なほど強固であり、もういくらこちらが殴ろうが絶対に割れない。大人しくガードが解かれるのを待つしかない。

こんなにテンポの悪いアクションゲームを楽しいと思う人間がどれだけいるのだろうか?

 

人型のボスと戦っている際も、かなり隙が少ない敵なのに攻撃を差し込める場面が少なくなっている。そのくせタフなので、ダラダラとワンパターンな攻撃を避けては殴るという地味な絵面が続くことになる。

単調。面白くない。もう少し体力を下げるか、攻撃を通しやすくしてくれ。

 

 

更に不満を加えると、エインフェリアや武器変更の反映受付が限定的過ぎる。

何らかの攻撃を行っている際は一切この二つの変更が出来ないので、いちいち攻撃の手を止めなければならない。

 

せっかくアクションが多彩でコンボゲーのような動きも出来そうなのに、この仕様のせいで戦いの幅が狭くなってしまっている。

エインフェリアの変更が属性変更も兼ねているため、ここがスムーズに行えないのはストレスにもなる。攻勢に出ているのにいちいち手が止まるため、テンポが悪い。

 

 

また、アーツは発動から硬直が解けるまでずっと無敵が付くので、緊急時に逃げの手段として使用することが出来る。

攻防一体といった攻撃手段であり、今作はこれだけやっていれば終始なんとかなるレベル。

 

攻撃していると満足に防御手段が取れない上、敵の数が多くて攻撃が苛烈な今作においては、もはやこれ一強と言っても過言ではないレベルの強さと有用性を誇っている。

ルーンが揃ってくるとアーツゲージの回収も速くなるので、よりアーツ一強の状態が強まる。

結果、敵の攻撃を全て無視してアーツを連打するのが主な戦い方になりがちになる。

 

無論ボス戦ではこうはいかないが、「適当にガチャプレイをしてやばいと思ったらアーツ発動」…といういい加減な戦い方になってしまう。

この仕様は救済措置的なポジションだったのかもしれないが、救済どころかここに依存しなければロクに楽しめる戦闘では無かったのが問題。ここからも、いい加減さを感じた。

 

 

面倒でストレスフル。慣れる程この感想に行きつく戦闘システムだった。

アクションの出来自体は悪くないのだが、操作性やカメラと言った他の要素が酷過ぎて、動かす面白味に繋がっていない感じ。

そういう意味では、ある種の”惜しさ”を感じさせる。

 

加えて、元々のジャンルがRPGであるシリーズなわけだが、ガチャプレイで戦うというよりは敵の動きを見ながら対応していくタイプの戦闘という印象を受けた。

なので、ここまで硬派なアクションゲームにして、喜ぶファンがどれだけいたのかは少し疑問である。

 

 

 

 

 

#グラフィック

 

 

綺麗…ではあるが、絶賛するほどではない。

カメラが寄っている時は綺麗に見えるが、カメラが引くとのっぺりとしたグラフィックになり、落差が大きく感じられる。

 

また、リップシンクがかなりいい加減で、おおよそ日本語を喋っているような口元とは思えない。

まぁ英語かその辺に合わせた口の動きをしているのだろうが、それを加味しても違和感がすごい。

セリフが終わっているのに口元だけが動いている絵面は、事情の察しは付くにしても手抜き感が滲み出過ぎていて、変にプレイヤーを冷めさせる結果となってしまう。

 

ただ、動いている時のモーションは綺麗。とても滑らかに、スタイリッシュな動きを見せてくれる。

ここは素直に評価点。モーションのカッコよさは、アクションゲームの華である。

 

 

 

 

 

#ストーリー・キャラクター

 

 

感じることは無し。何一つ心を打たれるものは無かった。

 

アルマンの正体についても、すぐに察しがついてしまうような描写だったので驚きも何もなかった。

それに伴って、ヴァルキリーの過去もすぐに察しが付いてしまった。で、ラストも「やっぱりそうなりますよね」の終わり。予想を裏切ってくれるシーンが皆無。

 

 

全体的にキャラの掘り下げが浅く、特に思い入れのあるキャラは一切現れず。エインフェリアも淡々と過去を語られて仲間になるだけであり、感情移入の余地がない。

 

サブイベントで軽く過去に触れられるのだが、これまたテキストであっさり。せめてボイス付けるとかあるじゃん。

で、最終的にはみんな口を揃えて「覚悟が甘かった」と言って、本編で倒した使い回しボスをもう一度倒して終わり。キャライベントのオチがコピペってどうなん…

自分はそうでもないが、VPシリーズのファンって一応エインフェリアのイベントが好きっていう人も一定数いたよね?明らかにその分かり切っているファン層に対して、喧嘩を売るような作りをしているのはどうなのだろうか?

 

 

まぁ、今回のヴァルキリーに関しては、ヴァルキリーに拾われた後のエインフェリアも見られる。

なので、人として死ぬ前の生涯しか見られない過去作と、エインフェリアとなった未来を見れる今作ということで、一応差別化は出来ているのかもしれない。

ここに関しては今作ならではの長所だと思うので、見方によっては評価点。

 

 

 

ヒルドに関しても、ラスボス直前で軽く過去が語られるだけ。「へー」で終わり。ヒルドの扱い適当過ぎんか?後でアプデにてヒルドの話を追加するようだが…そちらを触れてみようと思うほど魅力を感じられなかった。

 

仮にそちらが素晴らしいものだったとしたら、最初からそちらも収録しておけよと言いたい。申し訳ないが、本編の内容だけではそちらがリリースされるまでの間に興味を維持することは、酷く難しいと感じられた。

 

 

また、欠魂花からその土地に住んでいた人間たちの声が聞けるが、それがストーリーに絡んでくるシーンはほぼ無い。なので、読む必要性を感じられなかった。

まぁ、その時代の情勢を知るという面では有意義だったのかもしれないが…テキスト2,3行で、顔すら出てこないキャラクターの近況を聞かされたところで、何も感じるものは無い。

 

 

余談だが、キャストは豪華だったと思う。もっとも、ここを評価点と言っていいのかは不明ではあるが。

 

 

 

 

 

#システム

 

 

かゆいところに手が届いていない。

アーツや武器をセットできる枠が少なすぎる。それらの変更が面倒。

 

今作は属性相性がとても重要なので、敵の属性に合わせてアーツを変えなければならないのだが、全ての属性のアーツをセットすることが出来ない。

なので、いちいち戦闘中にメニューを開いて変更しなければならない。かなり面倒。

テイルズシリーズのようにアーツもっと多数セット&使用できるようにするか、せめてプリセット登録ぐらいさせてくれ。いちいちアーツ一覧から探してセットし直すのが面倒過ぎる。

 

 

また、今作ではチャプター内で入手したアイテムは、そのチャプターをクリアしなければ全て破棄される。

なので、取り逃したアーツやルーン、欠魂花等を回収しようと思った時、チャプターを一から始めてクリアしなければならない。

これが非常に面倒で、たかが一つのアイテム回収のために数十分とかかるチャプターをクリアしなければならなくなる。

 

てか、チャプターが長すぎる。一度開始してしまうとクリアするまで拠点に戻れなくなるくせに、ものによっては1時間ぐらい続く。

更に、今作にはクエスト(チャプター)毎にクリアランクを付けられるので、高ランクを狙うとなるとやり直しが面倒。

 

チャプターに関しては、長くても15分ぐらいがちょうどいいと思う。10分前後が理想か?少なくとも、1時間もかかるような設計を取るべきではない。やり直しの手間が大きすぎる。

 

 

また、全てのクエストとチャプターに言えることだが、「ステージを進む→戦闘→進む→戦闘…」と、流れが極めて単調。

戦闘している時間がプレイ時間の大半を占めるので、戦闘が合わない人はすぐにやめてしまうと思う。

 

 

あと、敵が出現しない区間が短すぎる。戦闘が終わったと思ったらまたすぐに敵が出現するので、面倒に感じられるシーンがいくつかあった。

まぁ、ここに関しては、そもそも戦闘が良い出来と言えないという点が一番響いているのだろうが。

 

最後に加えて、マップに何度か鍵のかかった扉が登場するのだが、鍵がすぐそばに設置されていることがほとんど。

なので、いちいちカギを取りに行かせる必要があるのかが不明だった。

カギを探索する面白味も無ければ、すぐに先へ進ませてくれるわけでも無いのでテンポも悪くなる。何も考えていなかったのだろうか?

 

 

 

 

 

#調整

 

 

適当。大味。

一部の敵の火力がぶっ飛んでいる。こちらはこちらでアーツが強すぎる。

とりあえず、チェインアタックとアーツを振っていれば何とかなる。てか、それ以外の行動が弱すぎる。

 

各種ゲージ回収がかなり優秀なので、最悪エインフェリアを呼んでアーツを連打していれば、ほとんどの戦闘で勝利を収めることが出来る。

てか、後半は敵の数と攻撃が出鱈目過ぎて、アーツ連打ぐらいでしかまともに戦えないシーンが多々あった。

 

一度に登場する敵の数が多いのは勿論、攻撃範囲が広い、カメラ外からガード不能の攻撃がバンバン飛んでくる、判定持続の長い攻撃が多すぎ…等、悪い意味で混沌とし過ぎている。

 

特に、判定持続の長い範囲攻撃を出してくる敵には辟易した。こちらの遠距離攻撃手段はアーツしかないため、そのリソースは有限である。なので、アーツのゲージが枯渇すれば手出しが出来なくなる。だるい。

 

そして人型ボスのテンポの悪さ。苦痛でしかない。

固い、隙が少ない、ガードと回避が多すぎる…と、遅延要素と長期化要素の塊。

攻撃も分かってしまえば対処は難しくないので、本当にだらだらとワンパターンな戦闘が続いてしまう。面白味皆無。

特に、攻撃が苛烈でロックオンが定まらない真EDルートラスボスの第一形態は、様々な不満要素が重なり本当にストレスが溜まった。

 

 

 

 

 

総評

 

項目 点数 コメント
戦闘(ゲーム性) 12/20 動かす面白味が希薄。妙にもっさりしていて、アクションを出したい時に出せないことが多いのでイライラする。チェインアクションだけは良好。ただ、そちらを主軸に立ち回ると、今度はロックオンとカメラが問題として立ちはだかるという二段構え。
グラフィック 8/10 特別綺麗ではないが、かと言って汚いというほどでもない。アップにすれば綺麗だが、少しカメラが離れるとのっぺりとしたグラになる。モーションは滑らかで綺麗。
ストーリー・キャラクター 10/20 面白い要素皆無。RPGでこのストーリー性は致命的。キャラクターも描写が少なく、思い入れを持つことが難しい。キャラの正体や、ストーリー展開の予測が付きやすくてつまらない。
システム 12/20

不便な点が多い。令和のゲームか?クエスト内で入手したアイテムの仕様やアーツ変更の面倒さ、カメラの酷さ…と、遊ぶ上での快適性は低い。また、ボリュームが薄い。

調整 12/20

かなり大味。特に終盤は、敵の数が多すぎたり敵の動きについて行けなかったりするため、アーツでゴリ押しするぐらいでしか太刀打ちできなくなる。そして、こちらもこちらでアーツがかなり強い。多彩なアクションでスタイリッシュに動かしたいのに、結局アーツ頼りというチグハグな戦闘になってしまっている。

新生感

(独自項目)

6/10

正直、「ヴァルキリー」の名前を借りる必要性があったとは思えない。アクションは硬派過ぎるし、RPGとしては話もキャラもお粗末すぎるしで、どこの層に向けた作品なのかが分からない。

せっかくシリーズの復活を期待できる流れになったかと思えたのに、これでは逆にとどめを刺してしまった結果になったのではないか?

合計 60/100 ~59:駄作  60~69:凡作 70~79:佳作 80~89:良作 90~100:名作 ※暫定

 

 

可もなく不可もないアクションRPG。

アクション、ストーリー、共に三流。どこを取っても出来がいいとは言えない。

かなり不満が並んだが、アクション自体は悪くない。ただ、その調理の仕方が悪かった。それだけ。素材は良い。ストーリーはご愁傷様です。

 

ちなみに、ボリュームはかなり薄い。筆者は難易度HARDで遊んでいたが、メインクエストとサブクエストを全てクリアして真ENDに到達するのに18時間程度しかかからなかった。

おそらく、メインクエストだけ追っていれば12,3時間ぐらいで終わると思う。なので、かなり短く感じられた。

RPGということでもう少しボリュームに期待していたのだが…まぁいいかって感じ。逆に、この内容で数十時間も引きずられるのも辛そうだったし、結果的には短くて正解だったのかも。

 

最初にも書いたが、体験版を遊んだ時点で微妙ではあったものの、”可能性を感じる”ことはできた。

ブラッシュアップしていけば良作に化ける感触はあったので、改善すべきところを改善していけば良い作品になると思う。まぁ改善点は多いが。

次回作に期待…していいのか?そもそも次を出せるのか?

 

 

 

 

 

終わり。