マタギの掟
前々から気になっていたthe Hunterをプレイ。厳密に言えば、気になっていたのは似たようなゲーム内容である「way of the hunter」だったのだが、そちらは「バグが多い」との評判が多かったので様子見していた。
で、似たようなゲームとしてこちらを発見。評判は上々。way of the hunterと比較すると、長所と短所がそれぞれあるらしい。
少し考えた結果、「まぁどっちを遊んでも楽しめるだろう」ということで、バグの話を聞かないこちらを購入してみた。バグが無いのは正義。バグありは悪。これ、この世の真理!
で。
このゲームとはどんなゲームなのか。早い話が猟師になるゲーム。タイトルまんまですね。猟師の魂が〇起する!!突然の二瓶鉄造。
「保護区」という名の自然溢れる山中に入り、自由に獲物を狩猟するだけ。
一応、ストーリー的なクエストはあるようだが、やろうがやらまいが大して関係ないっぽい。一応経験値がもらえる程度。あくまで、メインは自由に狩猟することである。
DLCを購入せずに遊べる範囲だと、動物の種類はそこまで多くない。
大きく分けて…
鹿、熊、牛、猪、狐、鴨、七面鳥、コヨーテ、兎
以上のものしか無い。
こうして見ると数が多いように感じられるかもしれないが、マップ毎に出現する動物は限定されており、また動物の種類が異なるからといって挙動やクセが劇的に変わるというわけでは無い。
結局は、バレないように近づいて、逃げられない内に撃ち抜くだけ。やること自体はシンプルで単純。
だが…
これだけなのに、不思議と中毒性が高い。近づくどころか、敵を視認するところから既にシビアなゲームなので、とにかく接敵するだけでも大変。
仮に発見できたとしても、次は射程距離内&自分が銃弾を当てられるのに十分な距離までバレずに接近しなければならない。
そして更に接近できたとしても、今度は獲物の急所を1,2発で的確に撃ち抜かなければならない。
もし急所を外してしまっても、何発か追撃の弾を命中させられれば狩猟できることも多いは多いが、一度発砲してしまうと獲物にバレてしまい、野生動物ならではの脚力で逃げられてしまう。
なので、最初の1発以外は発砲しても当てるのが難しい。そんな状態で、「急所を的確に狙う」なんてのはより難しい。
今作は、そんな感じのシビアゲーである。なので、最初の方は本当に狩猟の”しゅ”の字も無いような体たらくだった。
まーーーーーーーーーーーじで獲物が見当たらない。誇張抜きに、本当に姿すら見えない。鳴き声だけは聞こえる。しかし、依然として姿を自分の前には現わさない。何だこのゲーム…これが自然の厳しさってやつ?
ある程度ゲームに慣れ、システムを理解した今だから言えるが、鳴き声が聞こえた時点で獲物は視認できる程度の距離には既にいる。
実際、鳴き声が聞こえるのに獲物の姿が確認できない際は、「距離的には近いのだが、茂みや岩やらに隠れているせいで発見できない」というケースがほとんど。
なので、焦って探しに回るのは逆効果。むしろ、自分の足音で気取られてしまい、光の速さで逃げられる。
野生動物の”カン”というものは我々人間には理解しがたいほどに鋭いようで、ほんの些細な違和感を容易く察知してしまうらしい。
足音は勿論、距離が離れていようが立ち姿なんてものを一瞬でも晒してしまうと即座に逃げられるし、極めつけは風上に立ってしまうとそれだけで自分の匂いを感じ取って逃げてしまうという始末。警察犬か何かか?いや、むしろ人に飼われている警察犬よりも鋭いのかもしれない。
訓練を積んでいるとはいえ人に飼われている警察犬よりも、山という過酷な環境で生きる鹿や猪の方が、その辺の嗅覚は鍛えられていそうではある。
じりじりと距離を詰め、標的を視界内に捉える。そして、そのまま射程距離内に入るまで最大限の注意を払いながら接近し、急所を的確に撃ち抜くだけ。
やること自体は至極明白であるが、そこに至るまでの手間と労力がかなり重たい。それ故に、狙撃するだけなのにかなりの緊張感がある。長時間かけて手に入れたワンチャンスを掴むか逃すか。今作は、そんなスリルを楽しむゲームだと思っている。
射程内に敵を捕捉してから、スコープをのぞき込んで発砲するまでの間に生じるヒリつきが、なんとも息苦しくて心地よい。
そして、その長い長い我慢を超えて獲物を狙撃し、仕留められた時の快感たるや。勃〇が止まらん…!
解放のカタルシスってやつであり、力尽きて横たわる獲物を発見できた時の安堵感と達成感は折り紙付き。尋常じゃなく気持ちがいい。この一瞬のためだけにこのゲームはあると言っても、もはや過言ではない。過言。
長い我慢タイム…からの、解放された時のギャップが好きな人は多分ハマる。
狩猟できた際は、画像のように獲物に命中させた弾丸の軌道や命中部位を確認することが出来る。これもまた面白い。どの角度からどの臓器に命中したかがはっきりと分かるので、綺麗に当たっているのを見ると自画自賛できる。自己肯定感を上げられる、ただ一つのゲーム。それが「the hunter」なんだよね。そんなゲームいくらでもありそう。
ただ、我慢する時間が長い上に、慣れないと一生獲物を発見することすらできないようなゲームなので、かなりマニアック向けだとは思う。
自然豊かな風景は心が洗われるようなフレッシュさがあるが、別にそれを主目的に遊ぶゲームでも無いしな…自然を楽しみたかったらもっとおあつらえ向きのソフトがあるだろうし。
そんな感じで楽しいthe hunter。山に生き、山に還りたいそこのあなた。山…籠ろ?
終わり。