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【プレイ感想】 Blasphemous(ブラスフェマス) 【レビュー】

 

「ブラスフェマス」の感想とレビュー。

 

 

 

ブラスフェマスのプラチナトロフィーを取得したので、感想をまとめる。

ほとんど宣伝されているのを見かけなかったインディーズのゲームだが、割とあっさり完走できた程度には楽しめた。

その辺の感想とレビューを、これからまとめていこうと思う。

ちなみに、「Blasphemous(ブラスフェマス)」とは「冒涜的な、不敬な」という意味らしい。ちょっぴり賢くなった!

 

 

 

 

概要

 

プラットフォーム PS4/Switch/XboxOne/Steam
発売日 2019/09/10
メーカー Team17
ジャンル アクションRPG
キャッチコピー

――敬虔にして残酷な神の意志、それは「奇蹟」と呼ばれた。

 

メーカーはTeam17。イギリスにあるゲームメーカーだそうで、開発だけではなく販売もしている模様。

他に販売しているゲームだと、「Overcooked(オーバークック)」「wormシリーズ」が挙がる…と言ってみたが、Team17のゲームで筆者が知っているものはほとんど無かった。ギリギリ、オーバークックがタイトルを聞いたことがあるかなという程度。興味があれば、Wikipediaを見てみると面白いかも。

ジャンルはアクションRPGとあるが、更に細かく言及すれば「メトロイドヴァニア」というジャンル名がより適切になる。メトロイド+キャッスルヴァニアのアレ。

インディーズゲーの王道となりつつあるジャンルだが、今作もその王道に則ったゲーム性をしている。よく言えば王道、悪く言えば無難。適当に作っていてもある程度の形にはなるが、比較対象が多すぎるので比較もされやすいし、数が出過ぎて若干飽和気味になってきているという側面もある。まぁ、この辺は一長一短ですかね。

 

 

ということで、ここからは項目ごとに評価をしていく。

 

 

 

 

#戦闘(ゲーム性)

 

 

一般的なメトロイドヴァニア。探索と戦闘をメインとした、2Dのアクションゲーム。

攻撃方法は、剣による通常攻撃と奇蹟と血による魔法攻撃のみ。アクションは、スライディング、ジャンプ、パリィ、壁蹴り(もどき)…と、一般的な物は一通り揃っている。

新鮮味があるシステムは無く、2Dのアクションゲームをいくらか遊んでいる人間からすると、ゲーム性において目新しさを感じることは難しいゲームだった。

剣には成長要素があり、成長させられるポイントを発見していく事で徐々に解禁できるスキルが増え、攻撃力も上昇していく。

奇蹟は、熱情という名のMPを消費して放つ魔法。マップ内で発見したり、イベントを進めることで数を増やすことが出来る。種類こそそれなりには多いものの、一度に装備できる数は一つのみ。よって、数種類の奇蹟を用いた戦術を組み立てることは不可能。

血は、とりあえず撃てる遠距離攻撃みたいな感じ。奇跡と同様に熱情を消費するが、その量はかなり少ない。使い勝手がよく、様々な場面で有用。

スライディングはそのまま。低姿勢で高速移動する。無敵は無い?大体の敵をすり抜けることが可能だが、一部のサイズが大きい敵は不可能。

ジャンプもそのまま。二段ジャンプは存在しない。

パリィもそのまま。短時間だけ物理攻撃に対する防御姿勢を取り、その間だけ物理攻撃をガードする。敵の物理攻撃には強弱の判定があり、弱攻撃をパリィした場合は防御した後に反撃をする。強攻撃をパリィした場合は、反撃をせず後ずさる。

壁蹴りもどきは、「特定の壁に剣を突き刺して壁に掴まる」というもの。剣を突き刺した後にぶら下がり続けることが可能で、そこからジャンプして更に上に上ることもできる。ロックマンXの壁蹴りとほとんど同じような感覚で使用できるアクション。

 

戦闘についてはこの辺が全てであり、見ての通りありがちなシステムしか無い。しかし、だからこそ必要十分な遊びを提供できており、及第点と感じられる面白味を感じることが出来る。

また、今作はそこそこ歯ごたえがある難易度のゲームなので、この一般的なアクションを適切に使用しなければならない。なので、「見て覚えて、的確に操作する」という古き良き2Dアクションを堪能することが可能。

弾幕系のボスからガチの剣戟系ボスと、ボスの方向性も偏っているわけでは無い。この辺も遊び応えがある。

 

戦闘に関してはこんなところ。探索に関しては、序盤では取れないアイテムが多いが、話が進んで探索に役立つアイテムが増えてきたら少しずつその辺を回収できるようになる、という仕様。

”アクションが増えて進める道が増える”というわけでは無く、”アイテムによって道が作られて進める道が増える”という方向性。アクションが増えて新たな進み方が出来るようになるという事は一切無いので、やること自体は終始変わらない。

個人的には、アクションが増えて色んな走り方や飛び方が増える方が、遊びに幅が出来て好きだった。なので、多少はアクションの追加もしてほしかったかな、というのが正直なところ。

また、ところどころに簡単な謎解きもあり、ヒントはきちんと周りにおいてあるので簡単な推理をするのが楽しかった。特に骨の謎解き。全く関係の無いアイテムにヒントが隠されていたのは、個人的にセンスがあると感じてしまった。謎解きを作るセンスはあると思ったので、次はラムラーナみたいな謎解きメインのゲーム作ってみてほしい。

全体的に遊んでいて楽しめた部分が多かったが、ほぼノーヒントである隠し通路に関してはただ面倒でしか無かったと思う。隠し通路が近くにあると音で知らせてくれるアイテムも手に入るが、手に入るのは後半。それを手に入れてから、再度前半のエリアを手当たり次第回るのは流石に面倒でしかない。この隠し通路に関しては、アイテムで探すのではなくその場で明確に分かるヒントを置いてほしかった。

トータルすると、ゲーム性に関しては及第点。それ以上も以下も無い。無難な出来という感じ。

ただ、「#調整」の項でも書くが全体的な難易度調整が良かったので、無難なゲーム性でもストレス無く楽しめたのは評価点。

 

 

 

 

#グラフィック

 

 

全編が2Dのドット絵で描かれている(ムービーシーンを含めて)。ドット絵ならではの画の粗さがあり、そのザラついたような粗さが不気味な雰囲気を醸し出ている。この画風は、このゲームのストーリーやイメージにマッチしている。

ただ、昨今のドット絵を採用しているゲームや、他に多数リリースされているインディーズのメトロイドヴァニアゲーと比べると汚い方ではある。

これを”今作独特の味”と見るか、”時代遅れの低画質”と見るかはあなた次第。

個人的には、プレイしていて「この粗さのせいでストレスを感じる」という事も無かったし、話・キャラ・雰囲気…と、全ての要素から感じられる底知れぬ不気味さという強烈な個性を持っている今作には、むしろこのグラフィック表現が適しているように感じられた。なので、この粗さはプラスに働いていたのかなと思う。

 

 

 

 

#ストーリー・キャラクター

 

 

ストーリーの描き方に関しては、「ソウルシリーズ」の影響をかなり強く受けているのは間違いないと思われる。ストーリー進行上では多くを語らず、その少ない情報や話の展開からプレイヤーが各々で話を補完していく感じ。ストーリーの理解を確実なものとするには、アイテムに付属しているテキストをきちんと読まなければならない。

明確に”こう”と語られている話では無いので、考察や推察が好きな人は結構好きなタイプ。そうじゃなくて、「ストーリーが理解できる形で本編が進行していかないと嫌!」という人には合わない。

逆に、「戦わせてくれればストーリーなんてどうでもいいぜ!」という野蛮人戦闘民族にはこの辺は気にならないと思う。筆者がこのタイプだったので、話が意味不明でも十分に楽しめた。

よって、ストーリーに関してはほとんど評価が出来ない。理解がほとんどできなかったから。「聖書とかその辺の宗教的な分野をモチーフにしているのであろう」という事を感じ取るのがやっとだった。

主人公の立場や存在、協力者の背景、ボスの設定…そのほとんどが理解不能で、訳の分からないまま戦わされるので、その辺が気になって仕方がないという人はおそらく楽しめないと思う。膨大なアイテムに付属しているテキストを全て読めばこの限りではないが、そこまでしながらゲームを遊びたがる物好きは少ないだろう。

唯一分かったのは、奇蹟という名の災厄が世界を飲み込んでおり、それに人々が苦しめられている。そこで、なぜか修道院で目覚めた主人公が奇蹟の根源を見つけるために旅を始める…という程度のこと。

考察をしてくれている有志も多少はいるみたいなので、気になる人はそちらを読んでみると楽しいかも。筆者はクリア後に読んでみたが、色々と理解が深まって読み応えがあった。

 

 

 

キャラクターは、主人公を含めて気味が悪いの一言。主人公は終始言葉を発さず、顔を見る事も無い。主人公に協力してくれる者、主人公に対立する者、主人公の行く手を阻む数多の敵…その全てが不気味で異様だった。

どことなく写実的でグロテスクな敵が多く、苦手な人は苦手だと思う。流血シーンも多い。処刑というアクションを行った際は、臓物が飛び出る描写も出てくる。グロ好きには嬉しい要素だが、グロ苦手には酷な描写。不可解なストーリーだけでは無く、この辺も人を選ぶと思う。

 

 

 

 

#システム

 

 

アップデートで追加されたファストトラベルが優秀。逆に、これが無かったら少しここの評価は下がっていたと思う。

探索のためにあちこちをかなり移動するゲームなので、ファストトラベルがここまで細かく利用できないと不便過ぎる。使用するまでに条件があるのが面倒だが、追加してくれただけでもまだマシ。

他に挙げられるシステムとして、罪過がある。今作は、「死んだ場所に罪過が残り、罪過を回収しないと熱情の最大値が一時的に下がる」というデスペナルティがある。

重すぎないデスペナルティであり、また回収前に死んでも罪過が消えることは無い。熱情をロストすることもなく、とりあえず回収さえしてしまえばそれですべて回復する。それに加えて、一定量の奇蹟の涙(通貨兼経験値)を支払えばいつでも回収できるという救済もあるので、過度な負担になるようなものではない。

死にやすいゲームであるが、死んで失うものが重くないので気軽に進められる。いい塩梅だった。

 

今作には収集物がいくらかあるが、その取り逃しがあった場合はどこを取り逃しているのかが分からない。そういった場合、マップの色が変わっていて取り逃しがあることを教えてくれるわけでは無い。そうなるとかなり面倒である。

しかし、自分でマップにマーキングすることが出来るので、自分でマップにある程度印をつけて見やすくすることが可能。し忘れると面倒なことになってしまうが、自分なりに手を加えて見やすいマップにすることが出来るのは、この手のゲームにしては地味に珍しい機能だと思った。地味ではあるが、地味なりに地味に役に立つ機能である事には変わり無い。良い配慮。

ただ、やはり取り逃しがあるところには、ゲーム側から自動で教えてくれても良かったのではとも思う。マーキングし忘れると最悪一から探し直さないとならなくなるのは、ちょっとプレイヤーに酷。

 

他にも、前半のボス戦において救済的な役割を担うNPCがいたり(瀕死になると自動で回復してくれる。同伴した状態で3体ボスを倒すとそのNPCは死亡する)、マップの繋がりが分かりやすかったり(マップの枠を見ると他に繋がっている所があるかどうかが分かる)…と、遊びやすい仕様が多々見られたので遊びやすかった。

 

また、今作のようにライフが残機制ではないゲームでは、その辺の罠はダメージを受けて終わりであることが多くなっているが、今作はそうではない。針や落とし穴というクラシックな罠にかかってしまえば、問答無用で即死である。(穴に関しては、装備次第では死ななくなるが)

今時にしてはもう懐かしく感じられる仕様であり、そういった罠地帯のエリアをプレイしている際は少しスリリングだった。遊んでいていて、無駄に手に力が入るあの感じ。好きな人は好きかもしれないが、嫌いな人は嫌いかも。個人的には好きではない。救いなのは、そこまで酷い針地帯が無かったという事。やり過ぎなマップは無かったので、筆者のような即死が嫌いな人間にとってはそこまでストレスにはならないと思う。

 

 

 

 

#調整

 

 

ゲームの難易度については良好。メトロイドヴァニアにしては簡単な方かもしれない。人によるだろうが、個人的な印象としてはエンダーリリーズ以上ホロウナイト以下の難易度という感じだった。エンダーリリーズでメトロイドヴァニアに興味を持った人がいたら、その次のステップとしてこちらを手に取ってみるとちょうどいいかも。

「高難易度アクション」のような宣伝をされているみたいだが、メトロイドヴァニアというジャンルに慣れている人間やアクションゲームが得意な人間からすると、極々普通の難易度に感じられると思う。なので、その辺の要素に当てはまる人は普通に手に取って問題は無い。

かと言って、「上記に当てはまらない人にはハードルが高いのか」と言われるとそれはまた違う。ジャンルが「メトロイドヴァニア」、あるいは「アクションRPG」と呼称されているように、今作は探索と成長要素が物を言うゲームである。

アクションがある程度苦手でも、きちんと探索をしてキャラを強化すれば手こずる要素は無い。実際、きちんと探索をして強化要素を回収していけば、かなり簡単にクリアできた。(全てのボス戦で回復を一切使用せずにクリアするというトロフィーがあったぐらいの難易度)

よく分かっていない序盤こそ手こずることが多いかもしれないが、「無理だと思ったら違うルートを進んで強化要素を探す」としていけば、その内勝てるぐらい成長していることが多い。

理不尽に感じられた要素は無かったので、戦闘バランスの調整という面でもよく作られているゲームだった。

 

 

 

 

総評

 

項目 点数 コメント
戦闘(ゲーム性) 19/25 王道メトロイドヴァニア。ゲーム性については癖が無く、この手のジャンルを嗜んでいる人であれば問題無く遊べる。しかし、独自性の強い要素は無かったので、新鮮味には欠ける。
グラフィック 7/10 古き良きドット絵。味がある。ただ、グロくて不気味なビジュアルが多い故、人を選ぶ要因になってしまっているのも確か。
ストーリー・キャラクター 3/5 ストーリーは、テキストをきちんと細部まで読まないと理解できないタイプ。話を重視するタイプには向かないが、考察好きや話は適当でいいというタイプには気にならない程度。
システム 20/25

アップデートによる改善が重なっていた為か、ストレス無く遊べた。大きな問題は見当たらない。

調整 24/25

良好。理不尽な場面は無く、敵の攻撃を覚えてキャラを強化していけば、問題無くクリアまで進められる。簡単過ぎず無茶過ぎずのいい塩梅。足りない戦力は全て探索と発見で補えると言っても過言ではない。

気持ち悪さ

(独自項目)

8/10

生々しく痛々しい描写が多く、登場キャラの外見も相まって良くも悪くも気持ちが悪い。そこが持ち味になっており、強烈な個性を放っている。そういう意味では、不思議と印象に残るゲームだった。

合計 81/100 ~59:駄作  60~69:凡作 70~79:佳作 80~89:良作 90~100:名作 ※暫定

 

 

手堅くまとまったメトロイドヴァニア。

アップデートが何回か施された後に触ったからか、終始快適にストレス無く遊ぶことができた。

無難であるということは即ち問題が無いという事でもあり、つまり何も引っかかることがないということ。不満を感じる場面が無かったので、気軽に遊ぶには持ってこいのソフト。

クリアやプラチナトロフィーの取得だけだったら、そこまで時間がかからなくちょうどいいボリューム。しかし、それと同時にアップデートで色々なコンテンツが追加されているので、全てをやろうとしたら結構な時間を遊ぶことが出来る。

総じて遊びやすいゲームだったという印象を受けたので、この手のジャンルが好きな人は触れてみると楽しめるかもしれない。

 

 

 

 

終わり。

 

 

 

 

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